# OpenTelemetry 日本コミュニティ向けアンケート

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このレポートは、日本の開発者やエンジニアにおける OTel の認知度、導入状況、コミュニティ参加の現状を把握するために実施された、OpenTelemetry 日本コミュニティ向けアンケートの結果をまとめたものです。
このアンケートは、開発、SRE、DevOps、プラットフォームエンジニアリングといった役割の実務者を対象とし、CNCF コミュニティチャネル、および X (旧 Twitter)、[Qiita](https://qiita.com/)、Zenn といった日本のソーシャルプラットフォームを通じて配布されました。
目的は、日本の技術エコシステムにおいて OTel の利用とエンゲージメントを意義ある形で拡大できる、データドリブンな戦略を立案することです。

## 主なポイント {#key-takeaways}

- OTel の導入については、本アンケートには成熟した層からの回答が集まりました。
  61.47% がすでに本番環境で稼働させており、さらに 25.69% が評価中です。
  両者を合わせると回答者の約 87% を占めます。
- シグナルの収集ではトレースが 93% で最も多く、メトリクスが先行する傾向にある世界の OTel アンケートとは対照的な結果となっています。
- コミュニティの満足度は高く、NPS は +49 を記録しました。
  ただし 27.37% は中立 (パッシブ) であり、ドキュメントの改善やコミュニティへの働きかけによって、推奨者へと転換できる余地があります。
- Go のユーザーは導入への意欲が最も強く、評価段階の 39% と比較して本番運用が 76% と数値が跳ね上がっており、いずれの言語よりも大きな伸びを示しています。
- 回答者の 86% がカンファレンスに参加していますが、KubeCon Japan 2025 への参加は 25% にとどまっており、今後の開催に向けて、まだリーチできていない大きな潜在層があることを示唆しています。
- Twitter/X は 2 番目に多く利用されている情報源 (83%) ですが、OpenTelemetry はそこに公式アカウントを持っておらず、また日本でよく使われている Zenn や Qiita にも存在感がありません。
  日本の利用者と関わっていきたいのであれば、これに対処することを検討すべきです。

## 回答者属性と背景 {#demographics-and-background}

回答者の構成は **開発チーム** に大きく偏っており (44.95%)、次いで SRE が 22.94% で 2 番目に大きなグループとなっています。
DevOps、プラットフォームエンジニアリング、セールスエンジニアリングが中位層を形成し、運用担当 (Operations) と専任のオブザーバビリティ担当を合わせても 7% 未満にとどまります。
地理的には、東京を含む **関東地方** に大きく集中しており (76.15%)、近畿地方 (大阪・京都圏) が 12.84% で大きく離された 2 位となっています。
これは日本のテック産業における東京の存在感を考えれば驚くことではありませんが、これらの都市圏以外の日本の開発者層を完全に代表しているとは言えない可能性があることは、留意しておく必要があります。

企業規模に関しては、本アンケートは大きめの組織に偏っています。
44.04% が中堅・大企業 (従業員 100〜999 名) からの回答で、35.78% が従業員 1,000 名超のエンタープライズからの回答です。
小規模企業 (1〜49 名) はわずか 14.68% でした。
これが重要なのは、より大きな組織ほど体系化されたオブザーバビリティの実践と、OTel のようなツールを評価・導入するためのリソースを持つ傾向があるためです。

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## OpenTelemetry の導入 {#opentelemetry-adoption}

### OTel 導入の成熟度 {#otel-adoption-maturity}

導入状況は概ね前向きな傾向を示しています。
過半数の 61.47% がすでに本番環境で OTel を稼働させており、25.69% はテストや評価の段階にあります。
名前は知っているがまだ使っていないという回答は 12.84% にとどまります。
「本番運用中」と「評価中」を合わせると回答者の約 87% を占めており、本アンケートが、コミュニティチャネル経由で配布された場合に典型的な、すでに関心の高い層に届いていたことを示唆しています。

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### 収集しているテレメトリーシグナル {#telemetry-signals-collected}

最も広く収集されているシグナルは **トレース** で 93%、続いてメトリクス (71%)、ログ (60%) となり、プロファイルはわずか 13% と大きく差をつけられています。
これは、メトリクスの利用が先行していたこれまでの OTel コミュニティ内でのアンケートとは対照的な結果です。

![image6](telemetry-signals.png)

### Collector ディストリビューション {#collector-distribution}

Collector の選択肢の中では **Contrib Collector** が 59% で最も人気が高く、これが提供する幅広いプラグインエコシステムへの需要を反映しています。
Core Collector と OCB (OpenTelemetry Collector Builder) はともに 27% で並んでいます。
OCB の数値は注目に値し、利用者の 27% がカスタムディストリビューションを構築していることを示しており、コミュニティのうちかなりの割合が、本番運用に耐える高度なニーズを抱えていることを示唆しています。
特筆すべきは、中堅・大企業 (従業員 100〜999 名) が Contrib Collector 利用者全体の半数を占めている点で、これは Core (23%) や OCB (32%) における同層の比率と比べても不釣り合いに高い割合です。
これはおそらく、こうした組織が Contrib の幅広い統合ライブラリを必要とするほど複雑である一方で、完全にカスタムな OCB ディストリビューションを構築・維持することを正当化できるだけの規模やプラットフォームエンジニアリングの体制にはまだ達していないことを反映していると考えられます。

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### プログラミング言語 {#programming-languages}

Java が 61% でトップを走り、Go (57%)、JavaScript/TypeScript (50%) が僅差で続きます。
Python は 33% です。
興味深いことに、OTel の導入状況とプログラミング言語を比較すると、評価中の 28 名と本番運用中の 67 名のうち、それぞれ 39% と 76% が Go を使っています。
一方、Java については 71% が OTel を評価中で、69% が本番運用しています。
これは、Go チームはひとたび OTel を採用すると特に強くコミットする傾向があることを示唆しています。

![image9](programming-lang.png) ![image10](otel-adoption-programming-lang.png)

### ネットプロモータースコア (NPS) {#net-promoter-score-nps}

NPS が約 +49 (推奨者 61.05% から批判者 11.58% を引いた値) という結果は、オープンソースプロジェクトにとって良好な数字です。
回答者の 6 割超が熱心な推奨者であるということを意味します。
とはいえ、4 分の 1 を超える回答者が中立 (パッシブ) であり、ドキュメントの改善、コミュニティイベント、成功事例の共有を通じて推奨者へと転換できる余地があります。

![image11](nps.png)

## IT コミュニティとイベント {#it-community-and-events}

### 好まれるイベント形式 {#event-type-preferences}

明らかに多数派 (64.22%) が **対面とバーチャルの両方のイベント** を好んでおり、ハイブリッドのアプローチがコミュニティに最も適していることを示しています。
対面のみを好む割合は 22.02%、バーチャルのみは 8.26% です。
どちらの形式も特に選好しないと答えたのはわずか 5.5% でした。
これは、いずれか一方の形式を選ぶよりも、ハイブリッド形式でのイベント運営を強く支持する結果となっています。

![image12](event-types.png)

### 参加したイベント {#events-attended}

一般的な IT **カンファレンス** が 86% で参加率トップとなっており、これは日本における活発なカンファレンス文化を反映しています。
KubeCon + CloudNativeCon Japan 2025、ハンズオンワークショップ、技術的なディープダイブセッションは、それぞれ回答者の 25% を集めました。
ネットワーキングイベント (17%) や初心者向けチュートリアル (9%) は低い水準にとどまっています。
回答者の 86% がカンファレンスに参加しているのに対して、(初開催であった) 前回の KubeCon に参加したのは約 25% にすぎないという事実は、今後のイベントに対する潜在的な参加者がまだ多く残っていることを意味します。
そして、ここからさらに次の問いが生まれます。
**KubeCon に参加しなかった人のうち、どれくらいの割合がバーチャルイベントを好むのでしょうか?**
下のグラフが示すとおり、イベント形式の選好と KubeCon への不参加との間に関連性は見られませんでした。
**したがって、今後の KubeCon イベントでは、日本のコミュニティに届けるためのより良い方法を模索することを提案します。**

![image12](events-attended.png) ![image13](events-table.png)

## 情報源 {#information-sources}

**公式ドキュメント** (85%)、**Twitter/X** (83%)、**GitHub** (81%)、**ブログ** (80%) の 4 つが主要な情報チャネルであり、いずれも僅差で並んでいます。
日本固有のプラットフォームである Zenn (62%) と Qiita (39%) も特筆すべき割合を占めており、日本語の技術コンテンツの重要性を反映しています。
YouTube (19%) と LinkedIn (9%) は、このコミュニティで最も使われていないチャネルです。
OpenTelemetry が現時点で Twitter/X アカウントを持っていないことを踏まえると、ガバナンス委員会に対して次の問いが投げかけられます。
**日本の利用者にリーチするために Twitter/X アカウントを開設、あるいは他のローカルプラットフォームを検討すべきでしょうか?**

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## まとめ {#summary}

このアンケートは、**成熟しエンゲージメントの高い** コミュニティの姿を描き出しています。
回答者の多くはすでに本番環境で OTel を利用し、広く推奨しており、カンファレンスやオンラインプラットフォームを通じて技術コミュニティに積極的に参加しています。
主な機会としては次のものが挙げられます。

- 関東地方を超えてリーチを拡大していくこと。
- 関東地方で開催される現在のイベントに注力すること。
- まだ評価段階にある 25% の層を育てていくこと。
- 日本語ドキュメントを充実させていくこと。
- 日本向けのソーシャルメディアで呼びかけを行うこと。
- コミュニティの対面派とバーチャル派の両方に応える、ハイブリッドのイベントを運営すること。
